猫背を治すには、骨盤を前傾させる
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スマホ症候群、ストレートネックの原因は、骨盤が後傾して背中が丸まる姿勢を毎日、何時間も続けているからだろう。
パソコンやスマートフォンなどの小さな画面や文字を長時間見続けていると、顔や目を殆ど動かさないで固定してしまう。
この姿勢を維持しようとして首や肩が固まり、背中も丸まり、腰も丸まって猫背になってしまう。
こうなる直接の原因は、骨盤の後傾、つまり骨盤が後ろに傾いていることだ。
試しに、椅子に座ったままでも骨盤を前傾させてみると、背筋はまっすぐになって、頭も背骨の上にキチンと乗る。
骨盤を後傾させると、背骨が丸まって、アゴも前に出る。
骨盤をどうやって前傾させたり後傾させたりすればいいかというと、座った状態で、ヘソを前方向に突き出せば前傾、ヘソを後ろ方向に引っ込めれば後傾させることが出来る。
そして前傾・後傾をどうやって判定すればよいかというと、
- ヘソが股関節より前にあったら前傾
- ヘソが股関節の後ろにあったら後傾
ところが骨盤を前傾させた姿勢って、結構辛いんだよね。
たとえば座布団などに正座をして座ると、始めこそ骨盤が前傾して背筋が伸びた姿勢になっているが、次第に疲れてきて、背中が丸く曲がってアゴが前に出てくる。
そしてさらに疲れて、足を崩してあぐらをかくようになるわけだが、疲れてくると骨盤はどうしても後傾してしまうわけだ。
だから長時間パソコンに向かって仕事をしていると、どうしても背中が丸まって猫背姿勢になり、ストレートネックや首コリになってしまうわけだね。
股関節を伸ばして立つのは人間だけ
背筋をまっすぐに伸ばすには、骨盤を前傾させればよい。
骨盤を前傾させるのは簡単で、下腹部を太股の前面にくっつければよい。
ビートたけしさんの「コマネチ!」というギャグみたいに、手刀部を股関節の前(鼠蹊部:そけいぶ)に置き、それを下腹と脚で軽くはさむように股関節を「閉じる」。
掌をおかなくても、股関節を「閉じる」ことを意識すると骨盤を前傾させて、背筋をまっすぐ「立てる」ことができる。
逆に言うと、立った状態で猫背になる最大の原因は、ヒザと股関節が伸びきっているからなのだ。
二足歩行をする動物は、人間以外にもいくつかあるが、ヒザや股関節を伸ばして立っている動物は、他にはいない。
たとえばカンガルーの様子を見ると、ヒザと股関節を折り曲げた状態で立っている。
鳥類も二足歩行をしているが、ヒザも股関節も折り曲げている。
ヒザを伸ばして立っているように見えるペンギンだって、実はヒザを折り曲げた状態で立っていて、しゃがんだ状態でドタドタ歩いている。
だからヒザや股関節を伸ばした状態で、立ったり歩いたりというのが、そもそもの間違いであって、普段から股関節を軽く閉じておれば、骨盤は後傾なんかしないし、猫背にはならないのだ。
そして股関節の開け閉めを意識して動くと、無理に胸を張ったり背筋を伸ばそうとしなくとも、骨盤を前傾するだけで勝手に胸が開き、背筋をまっすぐに立てることが出来るようになる。