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発生の総仕上げ、滑舌練習
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表声と裏声の練習方法を覚えたら、次は滑舌(かつぜつ)のトレーニングだ。
滑舌とは舌を滑らかに動かして、言葉が聞き取りやすい声にすると言うことで、使う筋肉は顔と口の筋肉(表情筋)と舌だ。
声と筋肉の関係は、
- チェストボイス→呼吸筋を使って出す
- 音程と裏声→喉の筋肉を使って出す
- 滑舌→顔と口の筋肉・舌を使って出す
基本の滑舌練習
チェストボイスなどの練習の時は、「うおあえい」あるいは「いえあおう」という風に、口の形が近い音を続けて練習したが、滑舌は逆に、口の形が違う組み合わせで練習する。
最初は母音であるア行から始めて、舌の動きの練習に移行する。
あ・お・あ・お・あ・お・あ・お、い・う・い・う・い・う・い・うえ・お・え・お・え・お・え・お、あ・え・い・お・う・お・い・え・あ
発音練習の注意
口は、大きめに動かして、口の回りの筋肉をしっかり使う。
(ただし目一杯大きく動かす必要はない)まゆ毛は上に引き上げ、明るい顔を作りながら発音する。
「え」や「い」は、まず上の歯をしっかりむき出してから、下あごを動かして発音する。
舌を動かす練習の例
舌を動かす練習は、ラ行を使う練習だ。
ラ行単独と、ラ行・ナ行の組み合わせがある。
【ラ行】らろらろらろらろ、りるりるりるりる、れろれろれろれろ、られりろるろりれら【ラナ】らならならならな、りねりねりねりね、りにりにりにりに、れねれねれねれね、
滑舌のトレーニング
滑舌のトレーニングは、表声でも裏声でも出来るので、表声と裏声を交互に練習すると、ミックスボイスの練習にもなる。
ただ、裏声は喉に負担が大きいので、喉が開いていない状態で、ムリヤリ練習すると喉を痛める。
なので滑舌と裏声を同時に練習する場合は、練習メニューの一番最後にするとよい。
1日10分の発声練習メニュー例
- 呼吸筋(首・胸背中・体側)のストレッチ
- リップロール、タングトリル 2〜3分
- チェストボイス(「ま」「うおあえい」) 2〜3分
- ヘッドボイス(裏声 「ラ」「ホ」)1〜2分
- 滑舌練習(表声・裏声)1〜2分
子音の滑舌練習(参考:ラ行以外)
【カ】 かこかこかこかこ きくきくきくきく けこけこけこけこ、かけきこくこきけか【サ】 さそさそさそさそ しすしすしすしす せそせそせそせそ、させしそすそしせさ【タ】たとたとたとたと ちつちつちつちつ てとてとてとてと、たてちとつとちてた【ナ】なのなのなのなの にぬにぬにぬにぬ ねのねのねのねの なねにのぬのにねな【ハ】はほはほはほはほ ひふひふひふひふ へほへほへほへほ はへひほふほひへは【マ】まもまもまもまも みむみむみむみむ めもめもめもめも まめみもむもみめま【ヤ】やよやよやよやよ ゆよゆよゆよゆよ やゆよゆや【ワ】わおわおわおわ
濁音・破裂音の滑舌練習
【ザ】ザゾザゾザゾザゾ ジズジズジズジズ ゼゾゼゾゼゾゼゾ、ザゼジゾズゾジゼザ【ダ】ダドダドダドダド ディドゥディドゥディドゥディドゥ デドデドデドデド、ダデディドドゥドディデダ【バ】バボバボバボバボ ビブビブビブビブ ベボベボベボベボ、バベビボブボビベバ【パ】パポパポパポパポ ピプピプピプピプ ペポペポペポペポ、パペピポプポピペパ
早口言葉・固有名詞で総仕上げ
滑舌練習の最後には、早口言葉や、名詞を使って練習の総仕上げを行うとよい。名詞を使う練習は、とっさに言葉を出す練習で、頭の体操にもなる。