リップロールの目的
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発声練習は、リップロールやタングトリルを3分ほどやってから始めるとよい。
リップロールとは、唇を閉じて、吐く息でブルブル震わせる練習。
タングトリルとは、舌先を上の前歯の後ろにつけて、「トルルルルルルルー」と舌を振るわせる。
いわゆる「巻き舌」というヤツだ。
リップロールやタングトリルは、口の回りの筋肉や舌の筋肉、喉のウォーミングアップになるので、いきなり大きな声を出して喉を痛める予防になる。
ただしリップロールやタングトリルの本当の目的は、吐く息を均等にするということだ。
大きな声を出そうとするとき、大きく息を吸って、それから大きい声を出そうとしてしまう人が多い。
しかしこの方法だと最初にいっぺんに吸い、その反動で大きく息を吐いてしまって、すぐに息が足りなくなってしまうのだ。
そうではなくて、必要最小限の息で声を出し、息が途切れないように話したり歌ったりするための練習なのだ。
唇や舌を振るわせるだけの息の強さがあれば、声としてはもう十分だと言うことだろう。
リップロール練習を行う場合の注意点
- とにかくリラックスしておこなう
- 息を吸いすぎない 息を吐きすぎない
- お腹を押して息を出すようなことはしない。
- 出来るだけ少ない息で長く続けるようにする
- 最初は短めのリップロールから練習する。
- 長くできるようになったら、スケーリング練習(音程練習)を加える。
- うまくできなかったら、両手の人差し指を唇の横に当ててみる。
- ホッペタを手で押し上げたり、唇を寄せて前につきだしてみると良い。
- 舌で唇を舐めてぬらしておくとやりやすい
※発声練習は、喉に負担がかからないように1回10分を上限にする。
その中で練習内容の配分を考える。
タングトリル 高い声を出す準備運動
タングトリルは、いわゆる「巻き舌」で、「トルルルルルルル」という音で練習する。
やり方は、まず「る」という口の形を作る。
「る」がわかりにくかったら「う」の口の形を作り、舌の先を上あごの天井に付ける。
上の前歯の付け根から少し後ろのあたりに舌先を付ければよい。
そこから息を出して「とるるるるるー」とやればよい。
タングトリルは、舌が短い人には少しやりにくいそうで、リップロールが出来れば、特に出来なくても構わない。
ただ、ハイトーン・ボイス(高音の声)で歌を歌いたい場合、必須の練習法らしく、いろんなコツがあるらしい。
たとえば「とろろ芋」を何度も繰り返し言い続ける。
「とろろ芋、とろろ芋、とろろろろろ芋、とろろろろろろろろ…」…という感じだ。
また、顔が下を向いて喉が狭くなっていると発音しにくいので、星を眺めるように上を向きながら「とるるるる…」とやってもよい。
もちろん空を見上げながら「とろろ芋、とろろ芋…」とやっても良い。
リップロールとタングトリルは、どちらもウォーミングアップとして使えるし、均等で長い声を出す練習になる。
振動させる部分が異なるので、出来れば両方やった方が良いという。
そしてリップロールやタングトリルに慣れたら、音程を付けてスケーリング練習をしたり、曲に併せて声を出して練習する。