発声に柔軟体操が必要なわけ
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良い声を出すには、柔軟な身体が必要だ。
というのも声というものは筋肉(呼吸筋)を緩めながら出すもので、しっかり緩まないと良い声は出ないからだ。
腹筋に力を入れて腹を引っ込める「努力呼吸」でも声は出せるが、それでは硬くて単調な声になってしまう。
ギターなどでも、張りつめた弦は硬い音になるが、身体を固めて出す声も同じように硬くなるのだ。
だから日頃から身体を緩めて、響く身体を作らないといけない。
身体を響かせるコツをつかめば、声は自ずと良くなる。
では、どこを緩めればよいのかというと、発声に関連するいくつかの筋肉だ。
具体的に言うと母音(あいうえお)を出すための筋肉である呼吸筋、子音をだすための口内筋、そして音程を作る内喉頭筋(ないこうとうきん)だ。
それぞれ別に役割があるので、まずこれを押さえよう。
発声のための筋肉とその働き
- 呼吸筋…呼吸するための筋肉で母音や声量に関係がある
- 口の中の筋肉…口の形を変形させたり舌を動かす筋肉で子音を作る
- 内喉頭筋(ないこうとうきん)…声帯を変形させる筋肉で、音程を作る
良い声を出すためのストレッチ 柔軟体操
きれいな声を出すには、柔らかい身体が必要だ。
そのためには日頃から、身体を緩めるように心掛ける必要がある。
発声練習をする前だけでなく、頻繁にストレッチを行い響く身体を準備する。
発声のために必要なストレッチは、呼吸筋のストレッチだ。
具体的なターゲットは、みぞおちの所にある横隔膜(おうかくまく)、肋骨の外側にある外肋間筋(がいろっかんきん)、首にタテに付いている胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋で、これらをスムーズに動かせるようにする必要がある。
横隔膜は、みぞおちの中央の剣状突起(けんじょうとっき:尖った骨)、肋骨の下端、そして背骨の腰椎につながっている膜状の筋肉で、しゃっくりの時にけいれんしている筋肉だ。
横隔膜は、ドーム状の筋肉で、お椀やボウルを伏せたような形をしていて、お腹に息を吸い込むときに緊張して平べったくなる。
外肋間筋は、肋骨と肋骨の間にあって、2本の肋骨をつないでいる筋肉で、緊張すると肋骨を上に引き上げる筋肉だ。
胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋は、頭蓋骨の下側と、鎖骨や肋骨につながっている筋肉で、頭を回転させたり、首を曲げたりする時に働く筋肉だ。