3つの声を使い分ける
更新日:
声には三種類の高さがある。
その3つの高さとは、
- 低音で渋い声のチェストボイス、
- 裏声や甲高い声のヘッドボイス、
- そして二つの中間のミドルボイス
チェストボイスの「チェスト」とは胸のことで、意識を股間の間の会陰(えいん)や仙骨(尾てい骨の上)におく。
意識を下に置いたまま腹式呼吸の発声法で軽く腹をへこませながら、胸を響かせて出すのがチェストボイスである。
逆に意識を頭のテッペンから頭上において、同じく腹式呼吸の発声法で軽く腹をへこませながら頭の上を響かせるように出す甲高い声がヘッドボイスである。
ヘッドボイスは別名「裏声(ファルセット)」で、アニメの「ゲゲゲの鬼太郎」のオヤジが「おい、鬼太郎!」と呼ぶ声だ。
「ドレミファソラシド」という音階だと、下のドの高さより下がチェストボイス、上のどの高さより上がヘッドボイス、という感じかな。
声というのは実は、普通の「表声」と、甲高い「裏声」で出来ていて、表声と裏声をバランス良く出せると、歌が上手く聞こえるようになる。
ミドルボイスと呼ばれる声は、この表声と裏声が混ざった声なので別名「ミックス・ボイス」とも呼ばれるが、裏声を練習すると出せるようになる。
声の高さを上げたり下げたりしにくい場合は、音程に併せて手を上げ下げすると出しやすくなる。
広瀬香美さんなどは、高い声を出しやすくするコツとして、手を挙げながら高音部を歌うなんてテレビで話してたね。
ベテラン歌手が高音部を歌っているときは、手を挙げて顔もしっかり上を向いて大きく口を開けているから、あれが高音の正しい発声法だと言うことらしい。
相手との距離によって声の高さを変える
チェストボイス、ミドルボイス、ヘッドボイス。
この三種類の声を上手く使い分けると、相手にしっかり声を届けることができる。
ではどういう風に使い分ければよいかというと、接近した状態ではチェストボイスかミドルボイスで、少し離れている距離ではミドルボイスかヘッドボイスだ。
イメージとしてはボールや果物を優しく投げる感じで、放物線を描くようにして声を相手に届けるとよいという。
要するに、近くにいるときは低く投げても構わないが、遠くにいる相手には、頭のテッペンから投げるってことだな。
そして通常のF2Fコミュニケーションでは、息がかかるくらいに近づくことは滅多にないので、使う声は中間距離用のミドルボイスが良いという。
また大勢がいる前で話す場合は、やや手前にいる人に対しては低めの声で、遠くにいる人には高めの声で呼びかけるというふうに声の高さを使い分けるとよいようだ。
特に相手に話を聞いてもらいたい場合には、チェストボイスは厳禁で、こういう場合は高めのミドルボイスかヘッドボイスが良いという。
というのもチェストボイスのような低音域では、言葉がハッキリ聞こえなかったりするからだ。
電話で低い声で話されると聞き取りにくいが、高い声で話してもらうと聞き取りやすくなるのと同じ理屈だ。
だから話の内容を聞いてもらいたいときは、いつもより高めの声で話すとよいらしい。
そう言えば、テレビショッピング『ジャパネットたかた』の高田社長は、キンキンするような非常に甲高い声で有名だが、あれは商品説明にはうってつけってことらしい。
ということで、言葉をしっかり伝えるためには、高めの声を身につけないといけないと言うことだな。