出っ尻姿勢を取れ
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ストレートネックや猫背などの悪い姿勢は、背中の問題ではなく、骨盤の後傾が原因だ。
ヘソの位置が股関節の前方にあれば、人間の身体は猫背になりにくい。
なので骨盤を前傾させれば、無理に胸を張ったり背筋を伸ばしたりしなくても、自然に背筋が立ち、胸は開くのだ。
そして骨盤を前傾させるには股関節を「閉じ」れば良い。
股関節の前面の「そけい部」(足の付け根)で、紙一枚はさむようなつもりで股関節を閉じればよい。
そもそも、二本脚で立つ動物は、カンガルーにしても鳥やペンギンにしても股関節を伸ばしきらないで立つ。
股関節を目一杯伸ばして立っているのは人間だけであり、これが実は骨盤を後傾させて猫背を作る原因なのだ。
つまり良い姿勢を取ろうと思ったら、身体に力を入れて胸を張ったり背筋を伸ばすのではなく、上半身は脱力して、股関節(ソケイ部)を閉じ、骨盤を前傾させれば姿勢は良くなる。
「胸を張れ」「背筋を伸ばせ」などと言うのは、身体の仕組みを知らない人間の言で、
そして股関節を閉じて骨盤を前傾させると、尻が出た、いわゆる「出っ尻」姿勢になるのだが、猫背よりも出っ尻姿勢の方が正しい姿勢で、ストレートネックや猫背で困っている人は、出っ尻姿勢を取る癖を付ければよいってことだね。
股関節と骨盤の意識を高める体操
ストレートネックや猫背を治すには、股関節(ソケイ部)を閉じて、骨盤を前傾させればよい。
立った状態でこれをやると、いわゆる「出っ尻」(でっちり)姿勢になるが、猫背よりも出っ尻姿勢の方が、はるかに良い。
問題は、今まで股関節を伸ばして生きてきたのを、どうやって出っ尻姿勢に矯正するかだ。
とりあえず、日頃から股関節を閉じて、骨盤を前傾することを心掛ける。
それから、股関節と骨盤の意識を高め、股関節や骨盤の操作で身体を動かす練習をする。
股関節と骨盤の意識を高める体操(骨盤操作体操)
股関節や骨盤の意識を高める体操は色々あるだろうが、私が現時点で一番良いなと思っているものを紹介する。
両手は後ろにつく。
※開脚の度合いは、そのときの気分で拡げたり閉じたりすればよい。
(1)骨盤を前傾させたり後傾させたりする。
(参考イメージ)ヘソを前に突き出したり、後ろに引っ込めたり。
会陰部(肛門の少し前のツボ)を上げたり下げたりするというイメージ(3)体重を骨盤の左右に、交互で乗せ替える。
(参考イメージ)ヘソを左右に動かす。
脇腹を伸ばしたり縮めたり。
お尻だけで前進したりバックしたりする「お尻歩き」もするとよい。
(3)骨盤を使って身体を左右にねじる両手を地面から離して、体重を左骨盤に乗せてから、身体を左にねじる。
両手を身体の左側の床に付けたら、元の位置に戻る。
逆方向もやる。
※やりすぎに注意。
骨盤への刺激が強いので、最初はヒザや股関節、仙骨が痛くなる可能性大。
たとえば骨盤を一つのボールと見立てて、骨盤ボールを前後左右に転がすイメージで動かす。
(参考→河野智聖さんの本)胴体の操作で、骨盤を動かす。
(参考→伊藤昇さん 胴体トレーニング)他にも、尾てい骨に尻尾がついているとイメージして、尻尾を立てたり、尻尾を丸めたりして動かす方法や、太極拳や沖縄空手などでも股関節の操作法があるようだ。
どれが良いのかは、色々やってみるとよいだろう。