呼吸筋のストレッチ まとめ
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声は呼吸筋が緩むときに出る。
呼吸筋とは、肋骨の回りにある外肋間筋、みぞおちの所にある横隔膜、そして首の回りにある胸鎖乳突筋や斜角筋だ。
もちろん「努力呼吸」と言って、腹に力を入れて声を出すことも出来る。
しかし身体を固めると響かないので、硬い声になるし、息も長く続かない。
風呂場で湯船に浸かるとき思わず出てしまう「はあ〜」というタイプの声が、実は正しい声だ。
なので首や肩、上半身の力を抜きつつ声を出し、要所要所で力を入れて、上手に声を出すことを意識すべきだろう。
ただしこれをやるには日頃から呼吸筋を、ストレッチなどで緩めておく必要があるが、単なるストレッチでは緩まないことも多い。
というのも普段の姿勢が悪いと上半身が硬くなってしまい、ちょっとやそっとのストレッチでは緩まなくなってしまうのだ。
特にパソコンやスマートフォンをうつむいた姿勢で見ていると、約5キロもある頭の重さを支えるために、首が固まってしまう。
なので股関節を閉じて骨盤を前傾させる、いわゆる「出っ尻姿勢」を作って、上半身を脱力させてからストレッチしないといけない。
また腹式呼吸の要である横隔膜も、固くなりやすい筋肉だ。
横隔膜はみぞおちの中央の剣状突起(けんじょうとっき:尖った骨)、肋骨の下端、そして背骨の腰椎につながっている膜状の筋肉だ。
お椀やボウルを伏せたようなドーム形をしていて、お腹に息を吸い込むときに緊張して平べったくなる。
しゃっくりの時にけいれんしている筋肉だが、これもストレッチしておくと良い。
上半身のストレッチと吐納法
呼吸筋のストレッチの方法は、首回りと肩と背中、そして脇腹が十分に伸びればよい。
といっても様々な方法が提案されているので、私がやっている方法を参考例として紹介しておく。
上半身のストレッチ(椅子に座った状態)
【ストレッチの準備】
(下腹を太股に付けたり離したり、ヘソを前に出したり引っ込めたりというイメージ)
【体側を伸ばす】
(1)ゆっくり息を吐きながら、左の股関節を閉じて体重を骨盤の左側に移し、左肘を上に上げて左脇腹を伸ばす。
(2)ゆっくり最初の位置に戻って、次は右の股関節を閉じて右側も伸ばす。
※数回繰り返す。
【背中を伸ばす】
(1)骨盤を後傾させて背中を丸め、顔を輪っかの中に入れて背中を伸ばす。
(2)骨盤を前傾させて手を離し、顔を天井に向けて胸を開く。
※数回繰り返す
【肩をほぐす】
左手の指先を、左肩関節近くの鎖骨の下のくぼみに指を付ける。
両肘を体側で円を描くように回す。
胸前でひっつけたり離したりする。
※肩胛骨を動かす意識で動かす。
数回繰り返す。
※鎖骨ほぐしや、一般の肩関節のストレッチも行う。
【首をほぐす】
5〜10秒 ×2回首を後ろに倒したところから、息を吐きながらユックリと回す。
3往復くらい。
両手の掌を重ねて、ノドボトケの下の鎖骨の上に置く。
頭を右に傾けた状態から、左目で天井を見上げるようにする。
※左胸鎖乳突筋のストレッチ。
右側も同様に行う。
数回繰り返す。
【横隔膜のストレッチ】(吐納法)
腹がへこんで脇腹の下に指が入ったら、上向けに力を加えて息を吐ききる。
息を吐ききったら、体を起こしながら鼻から息を吸い込む。
※手の平で肋骨をガバッと持つ感じ。
息を吐ききることが重要。
数回繰り返す