セールスマンは、声が命
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メラビアンの法則(ルール)によると、言葉と顔の表情や口調が合っていないとき、聞き手は顔の表情や口調から、相手の感情を読みとろうとするという。
メラビアンのある実験では、言葉・口調・顔の表情の不一致があったとき、
- 言葉で判断したのは、7%
- 声色・口調で判断したのは、38%
- 顔の表情で判断したのは、55%
この実験は、I do not have a problem with you!(君は別に悪くないよ)と言いつつ、目を合わせなかったり、心配そうな表情を作ったり、といった状況で、聞き手は何を頼りに判断するかという実験で、この結果を特に『7-38-55 ルール』なんて呼んだりもする。
つまり聞き手が相手の好意や反感を推し量る場合、言葉自体ではなく、話し手の表情や口調から判断する人が多いと言うことだ。
たとえば友人宅を訪問したときに、ニコニコしながら「いらっしゃい、待ってたよ」と弾んだ声で言えば、歓迎してもらえているのが分かる。
しかし、ぼそっとした声で「いらっしゃい、待ってたよ」と言いつつ顔は笑っていないような場合、どう受け止めるか?そう言う場合、多くの人々は顔の表情や声の調子から、相手の気分を推し量るものだというのが、メラビアンの法則って理解で良いだろうね。
セールスマンはなぜニコニコしているか?
モノを売るセールスマンや販売員は、たいていニコニコしている。
ニコニコして「いらっしゃいませ」…と言って近づいてくる。
ニコニコしているセールスマンや販売員は、ニコニコしていないセールスマンや販売員より、確かに近づきやすい。
怒った顔で、イライラした口調で「いらっしゃいませ」と言われるより、ニコニコした顔で、明るい声で「いらっしゃいませ」と言われた方が、お客さん側から見たら近寄りやすい。
メラビアンの法則から考えれば、これは当たり前って事だろう。
そしてモノを勧められる場合も、自信を持った表情と声で勧められるのと、自信なさげに勧められる場合とでは、確かに違う。
売り手がオドオドして小さな声で「これオススメです」と言ったら、言動と行動が一致しないので声や態度で判断して本当に良いものであっても、買うべきかどうか迷う。
その売り手が本当に良いと思って勧めていたとしても、そんな貧弱な声で勧められたら、「本当に良いモノは別にあるんだけど、店の事情でこっちを勧めているのかも?」…なんて色々考えてしまう。
こういう風に、話し手の言葉と表情や声のトーンに不一致があると、相手の真意を探り探り話すことになるので、コミュニケーションがうまく進まない。
場合によっては「一体アンタは何が言いたいんだ?」と、相手をイライラさせてしまうことだってよくある。
つまりフェイス・トゥ・フェイスで「伝わる話し方」をするためには、話す内容を整理することも重要だけれど、言葉と声のトーンと表情を一致させることも重要で、そのためのトレーニングを積んでおくことが必要だ。
うれしい時は、うれしそうな表情やうれしそうな声、悲しいときは、悲しそうな表情や悲しそうな声、そう言う話し方が出来る人が信頼されるのは、ある意味あたりまえではあるが。