スマホ症候群 ストレート・ネックとは
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ストレート・ネックや首猫背という言葉を最近よく聞くようになった。
ストレート・ネックや首猫背になると、胸鎖乳突筋が縮んで硬くなったり、首の後ろ側がガチガチに凝ってしまい、頭痛やめまいなど、様々な不快症状が出る。
うつむいてスマートフォンを長時間見ているような人がなりやすいので、「スマホ症候群」という風に紹介している場合も多い。
首の骨というのは、頸椎(けいつい)という7つの骨でできていて、これが後方に反り返る状態で重い頭を支えている。
これを「生理的湾曲」というのだが、7つの頸椎がまっすぐになってしまう状態がストレートネック、さらに前に垂れ下がるように湾曲してしまうのが「首猫背」だ。
原因は普段の姿勢が悪いことに尽きるようで、首やアゴを前に出した姿勢を長時間続けると、ストレートネックや首猫背になってしまうらしい。
パソコンやスマートフォンの画面を見続けていると、目線が固定されてしまって動かないから、首や肩の筋肉がガチガチに固まってしまうというワケだ。
ストレートネックや首猫背になると、胸鎖乳突筋や首の後ろの筋肉が固まってしまうために、首の付け根は痛むし、声にも影響が出る。
なのでパソコンやスマートフォンを使うときは、アゴを引かずに、頭を首の付け根の真上に置くように心掛ける。
ストレートネックは、別名「ボクサー首」ともいい、アゴを引いた姿勢を続けるボクサーや、バレリーナにも多いのだという。
アゴを引くというのはスポーツでよく言われることであるが、ストレートネックに関しては、これはいけない事らしい。
これはちょっと意外な話だったね。
胸鎖乳突筋のストレッチ(その2)
スマホ症候群、ストレート・ネックでは、呼吸筋である胸鎖乳突筋が固まりやすい。
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとっきん)とは、耳の下から喉の下の鎖骨までつながっていて首を横に回すと浮き出てくる筋みたいな筋肉だ。
胸鎖乳突筋をコントロールしているのは迷走神経の副神経(自律神経系)であり、脳の延髄から神経が伸びているために、健康にも非常に重要な筋肉だという。
とくにメニエール病・めまい・難聴などと言った、自律神経失調症の患者は、胸鎖乳突筋が硬く動きにくくなる傾向があるそうだ。
そこで胸鎖乳突筋をほぐすことで症状を改善できる…なんて記事が健康雑誌によく載っていたりする。
ただし耳の下は、様々な神経が通っている急所だし、リンパの流れ道になっているので、ゴリゴリと強い刺激でほぐすと痛めやすい。
なので耳の下からアゴの下までに指先や掌を乗せて、首や頭の方を動かして緩めるようにする。
また、胸鎖乳突筋に直接触れないでやる緩め方もある。
まず、左右の耳たぶをつかんで、グルグルと回す。
次に、右手の指先を左の鎖骨の下辺に押し当てて、左肘を上げたり下げたりして、鎖骨周辺をほぐす。
逆に左手の指先を右の鎖骨の下辺に押し当てて、右肘を上げたり下げたりして、右の鎖骨周辺をほぐす。
胸鎖乳突筋は鎖骨につながっている筋肉なので、鎖骨周辺の筋肉を緩めて動かすことでほぐすわけだ。
最後に、ノドボトケの下の鎖骨(胸鎖関節)あたりを両手の掌を重ねて動かないように固定して、胸鎖乳突筋を伸ばす。
そして左目で天井を見上げて左の胸鎖乳突筋を伸ばし、右目で天井を見上げて右の胸鎖乳突筋を伸ばす。
顔を左右に向けてから見上げても良いし、顔を左右に倒した状態から見上げても良い。