世界は言葉で出来ている
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言葉や文字は、意味や概念を伝える「意味のパッケージ(小包)」だ。
この言葉という意味のパッケージを、声や手紙やメールでやりとりするのが、言語的コミュニケーションである。
言語的コミュニケーションは、時間などといった抽象的な概念を、言葉というパッケージに込めてやりとりするので、抽象的で複雑な会話もできるという利点がある。
また言葉を文字として表せば、新聞や書物というメディアを通して多くの人ともコミュニケーションが出来るし、違う世界や違う時代の人間とのコミュニケーションも可能になる。
人類は、様々な抽象的な概念を言葉として蓄積し、それを文書化して発展してきたわけだから、言葉と文字はまさに「文明の利器」であり、「世界は言葉で出来ている」と言えよう。
しかしこの便利な文明の利器を使うには難点が一つある。
というのも高度なコミュニケーションをするには、たくさんの言葉を覚え、様々な抽象的な概念も理解する必要があり、かなり長い教育期間と勉強時間が必要になるのだ。
対照的に、学習期間が比較的短くても出来るコミュニケーションが言葉を使わない非言語コミュニケーション(nonverbal communication)である。
コミュニケーションの3要素
非言語コミュニケーションとは、自分の伝えたいことや気持ちなどの情報を、身振りや手振り、姿勢や表情、声のトーンや声質、視線の方向などといった手段で伝える方法だ。
楽しそうな身振り、緊張している姿勢や表情、寂しそうな声のトーン、何かを気にしている目線など、他人を見ていても何か伝わってくるモノがあるが、こういうのが非言語コミュニケーションというものだ。
そして非言語コミュニケーションが、大きな影響力を持っていることを示したのが、アメリカUCLAの心理学者アルバート・メラビアンである。
メラビアンは人間のコミュニケーションが、
- 言葉(Words)
- 声色・口調(Tone of voice)
- 顔の表情などの様子 Nonverbal behaviour (e.g. facial expression)
その実験とは、三つの要素が食い違うような会話で、受け手側がどう判断するかという実験だった。