笑顔の練習も発声練習と同時に行う
更新日:
発声練習は日頃から、鏡を見ながら練習するように心掛ける。
声をきれいに出すことも重要だが、顔の表情のことも忘れてはいけない。
以前も書いたが、心理学者メラビアンは、対面型のコミュニケーション(F2F)には、「言葉」「声の調子」「顔などの表情」という三つの要素があるとした。
そしてさらに、言葉以外の「顔の表情」や「声の調子」が、「言葉」より信用されるケースがあることを示した。
つまり、この三つの要素の意味が食い違っていたとき、聞き手は言った言葉より、顔の表情や、声の方が判断材料にする人が多いのだ。
一例を挙げると、実際は褒めているのに、顔がしかめっ面なら、相手は怒っていると判断するだろう。
逆に深刻に怒っているのに、声が甲高く、顔がニコニコしていたなら、相手は怒られているとは感じないだろう。
だから響く声で話すのと同様に、顔の表情もうまく作れないと、聞き手は安心して話を聞くことが出来なくなってしまう。
そのために発音練習の際には、顔の表情、つまり「笑顔」の練習もしなければならないわけだ。
ところが「笑顔」と言われると、「口角を上げる」とか言われて、発音の際には全然役に立たなかったりする。
そこで別の練習法として、まゆ毛を上げることと、前歯を見せることを意識すればよいと言う。
笑顔の表情練習法
裏声の練習はなぜ必要か
きれいな声を出すためには、裏声(ファルセット)の練習が必要だ。
裏声というのは、裏返った声ということだが、実際は裏返っているのではなくて、単なる高い声ということである。
たとえば高い音で「ワオー」と犬の遠吠えを、真似することは誰でも出来るだろう。
ゲゲゲの鬼太郎に出てくる鬼太郎のオヤジの「おい、鬼太郎!」という声の真似もできる。
これは声が裏返っているわけではなくて、高い声は元々出るように出来ているのだ。
ボイストレーニングの本を読むと、3種類の声があるかのように書いてあったりするが、人間は3種類の声が出せるわけではない。
声が3種類あるわけではなくて、低い声(チェストボイス:表声)と高い声(ヘッドボイス:裏声)、そしてこの二つが混じった声(ミドルボイス)があるのだ。
つまり低い声と高い声を同時に出す発声法がミドルボイスで、だからミドルボイスは別名「ミックスボイス」とも呼ばれるわけだ。
そしてこのミドルボイスは練習しないとなかなか出ない声なので、発声練習をしていない人は低音から高音に音程が上がっていくと、途中で突然、裏声になってしまうので「声が裏返る」と言うわけだ。
裏声の練習方法としては、1オクターブ以上高い音で、「ほ(HO)」か「ら(LA)」で練習するとよい。